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執筆者の写真順大 古川

なぜ世界史? 【青木裕司と中島浩二の世界史ch:1】



世界史参考書の超ロングセラー『青木裕司 世界史B講義の実況中継』シリーズの青木裕司先生と、福岡を中心に活動する人気タレント中島浩二さんがお送りするYouTubeチャンネル青木裕司と中島浩二の世界史ch」の文章版を紹介しています(許可を得ています)。





動画版:「なぜ世界史?


中島:

さあ、今回から大人の世界史チャンネルというのを始めます。私と一緒にやってくださる道しるべは、そうです、河合塾のカリスマの世界史の先生、青木裕司先生です。よろしくお願いします。なんでこの番組を始めようかというふうに思ったかといいますと、、、先生、世界中が混沌としていますよね。


青木:

ね、もう大混乱。


中島:

そうですね。特にまた新型コロナウイルスっていうのが加わって、本当に、生きる道しるべを失っているっていう人もたくさんいると思うんです。そんな中で先生が常々おっしゃるのが、、、「やっぱり歴史を学ばないと未来は見えてこない」と。


青木:

そうですね。さっきあのコロナの話をされたけど、人類史上では大きな病気、感染症の蔓延って何回も経験しているんですよ。その対応が、よく似ているんですよ。


中島:

今一番比較されているのが百年前のスペイン風邪というものですけれども、これは決してスペインで発症したわけじゃないんですよね。


青木:

ないんです。大戦中にスペインが中立だったので、スペイン発信で「風邪が流行っているよ」という情報が世界に伝わって。


中島:

あの第一次世界大戦というのは、1914年から始まって、誰しもがその年のうちに終わるだろうっていうように思っていたのが、ずーっと長くなったて、で、結局そのインフルエンザ、いわゆるスペイン風邪というのは第一次世界対戦をもしかしたら終結させたんじゃないかと。


青木:

そうですね。あの第一次大戦の死者が1000万って言われているんです。世界でスペイン風邪の死亡数は4000万と言われたんですよ。凄まじい数だったんです。




中島:

それぞれの国は戦っているから、自分のところでこんなのが起きているっていうことを誰も言わない。中立国だったスペインは「こんな風邪が流行っている」と言ったので、結局スペイン風邪っていうことになっちゃったわけですよね。


青木:

まあ、そういう名前になっちゃったんですね。


中島:

だから、歴史を学べば、いろんなことが見えてくる。


青木:

特に、失敗の歴史。人間ってやっぱり愚かなんで、同じような失敗を繰り返しているんですよ。それを繰り返さないようにするために、僕は歴史学というのは存在してるんじゃないかなと思うんですね。「こんな風に成功した」っちゅう記録ってあんま残っていないんですよ。「こんな大失敗やらかした」っていうのがたくさん残っているんですね。


中島:

いや、先生それを言うと、ちょっと最初から白熱しますけれども、国が最近データを残さないとか、議事録を残さないっていうのは、、、


青木:

あれはね、もう言語道断!


中島:

そうなんですよね。だからアメリカって良いものも悪いものも結局全部残して、すぐには見られないけれども、何十年か経ったら必ず全部出しますよっていう法律があるんですよね。


青木:

秘密にする期間は必ずあるんですね。外交文書とかは相手の国にも迷惑がかるからって言うんだけど、基本的には公開なんですよ。特に第二次世界対戦関係の記録は、全部公開しなければなならないという法律があるんですね。そこはやっぱり、みやまっ……!?


中島:

見誤ったらいかんということですねw言いにくいですけど、見誤ったらいけないということです。あ、全然出してなかったですけれども、そうなんです、大人の世界史チャンネルっていうことを始めて「過去に学ぶ 過去の失敗は未来への道標である」ということなんですね。で、いきなりビスマルクっていう、ドイツ帝国の宰相の名前が出ているんですけど、これどういうことです?


青木:

ちょうどね、あの日本の明治維新の直後にドイツ帝国ができたんです。バラバラだったドイツが日本と同じようにね、統一国家をつくって、その初代の総理大臣がビスマルクです。これね、世界史の教師として思うのは、世界史に登場する政治家の中でベストワンですね。どういうふうにベストワンかは、おいおいしっかりと言いますけども。


中島:

なるほど。いや、実はね、あの先生は河合塾で教えていらっしゃいますけれども、こういう本も出していらっしゃって、『1日1実況 歴史に学ぶ365日の教訓』という本です。この中に、どうやら、あの「ベスト内閣」っていう、、、先生。まあ、あの若い頃はいろんな生徒を教えてね、もうイケイケでしたけれども、最近はね、こういう本も書いていらっしゃる。渋いですね。だから、これは大人の人が読んでもすごくすごく楽しいというふうな本になっています。


1日1実況 歴史に学ぶ365日の教訓

それから、こちらはどちらかというと受験を控えた高校生とかが学べる本ですね。(実況中継を出す)



青木:

そうですね。幸いなことにですね、池上彰先生と佐藤優さんのお2人から推薦をいただきました。「世界史を学ぶ良い本だ」という。

中島:

そうですか。今、実は、世界史を選択する生徒がすごく減っているっていう話を聞きました。


青木:

残念ながらそうなんですよね。数字をあげるとね。今から30年前に、センター試験を受けるとういう制度の中では、世界史を選択する生徒は30%いたんですよ。3人に一人弱。じゃあ、今年はどうだったかというと、23%4人に1人よりも減ってるんです。


中島:

これは、かなり減りましたね。


青木:

減りましたね、だいぶ。


中島:

ということは、日本史を選択したりだとか、地理、、、それから政治経済。



青木:

そうですね。そっちの方に流れっちゃった。なんでそうなるかというと、世界史は難しい。例えば、中国史の漢字がめんどくさいとか、あるいはヨーロッパ人とかイスラム教徒たちの名前が長すぎて、、「ラシード・ウッディーン」とかね。名前が長すぎるんでめんどくさいというイメージがあって、なおかつ世界中の話じゃないですか。覚えにくい、まとめにくいと。それね、その通りなんですよ。


中島:

まあ実際はそうだけれども、ただ僕思うんですけど。まあ、僕は日本史を選択しましたが、ただねえ、やっぱり、日本という国だって、古来から日本だけでやってきたところじゃないんですよね。


青木:

はい。


中島:

神話だって、まあ、日本には『古事記』っていう神話がありますけれども、世界にあまたある神話の中に、似たような話が結構、、、エピソードがあるんですよ。それを見ると、実はじゃあ情報伝達って、結構、いろんなところで行われてて、つながっているというのがあったっていう、もう証拠ですよね。


青木:

しかもその『古事記』はどういう文字で書かれているかというと、漢字ですよね?


中島:

ということは、もう中国から来たものだよということなんですよ。だからもう一国だけの歴史じゃなかなかわからない。その時、どういうふうな状況であったかっていう世界情勢を見ることによって読み解ける。


青木:

特に今の世界ね。昔に比べて遥かに複雑になっているんですよ。やっぱり、人と物と金の動きがものすごく複雑なんで、しかも大量なんで、ますます見えにくい時代になってきているという時に、世界史の知識というのは、今起こっている現象を読み解いていくための一つの大きなツールになる。


中島:

なるほど。


青木:

僕の個人的な体験なんですけど、5・6年前からラジオに出たり、テレビでコメンテーターみたいな仕事をするようになって、朝に「このニュースを取り上げます」と言われるじゃないですか。それで、新聞持ってこられて、パパッと見て、一つ分かったのは、世界史を勉強しているんで分からない話がないんですよ。これはね、自分が仕事しながら痛感しましたたね。世界史やっといてよかったと。


中島:

つまり、今までにこんなことがあったよ、っていうところもあるし、いろんな国の関係っていうのが、今までの歴史的なものが分かっているから、なぜこういうことが起こっているのかっていうのが、ある程度つかめるということ。


青木:

しかも世界史なんで、網羅的なんで、小さな地域の話も分かるんですね。アゼルバイジャンとアルメニアがケンカしてるぜ。なぜか?と。歴史を勉強してると、「ああ、スターリンが悪いんだよね」と。70年前のスターリンが、80年前のスターリンが悪いんだよねって思っちゃうんですね。


中島:

でも、これ、一人の人間がやった政策で、70年~80年経って、まだ未だに大変なことになっているっていうのは、実は、これ本当に、じゃあ今誤った方向に行ったら、やっぱりダメだってことですね。


青木:

一人の政治家の政策が、数十年ね、下手すりゃ百年その地域の未来を決定すると。そんなことにならないために、やっぱり歴史を勉強する価値はあるのではないかなと思うんですね。


中島:

こういう話を展開していきます。今のいろんな問題から紐解いていったり、結構ホットだよねっていう場所から紐解いていったりっていう、まあ、わりとこうおおらかに。。。


青木:

そうですね。いろんな問題をね、まあ柔軟に取り上げていく。


中島:

ということで、はいぜひですね。私、中島浩司とそれから河合塾のカリスマの世界史の先生、青木先生と2人で世界史チャンネルっていうのをやりますので、みなさん登録どうぞよろしくお願いします。


青木:

よろしくお願いします。






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