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歴史漫才 稲尾和久【青木裕司と中島浩二の世界史ch】

更新日:2023年10月21日



世界史参考書の超ロングセラー『青木裕司 世界史B講義の実況中継』シリーズの青木裕司先生と、福岡を中心に活動する人気タレント中島浩二さんの青木裕司と中島浩二の世界史ch」の文章版です(許可を得ています)。


動画版:「歴史漫才 稲尾和久



ヒロシ:

どうも。私がヒロシ。


ジュニア:

私がジュニア。

ヒロシ:

2人合わせて歴史ボーイズです。ありがとうございます。今、折れたバットをいただきました。こんなんなんぼあっても良いですからね。


ジュニア:

ところでな、うちのおかんがプロ野球のピッチャーの名前、どうしても思い出せへん言うんよ


ヒロシ:

プロ野球のピッチャーの名前が思い出せへん、どないなっとんねん。ほな俺も一緒に考えたるからそのピッチャーの特徴言うてみ。

ジュニア:

うちのおかんが言うにはな、その人は史上最強の野球チームと言われた西鉄ライオンズのエースやった言うんよ。


ヒロシ:

そら稲尾和久投手やないかい。1956年からあの巨人を破って3連覇。日本一になった西鉄ライオンズ。誰もが認める史上最強のプロ野球チームじゃ。そのエース言うたら稲尾和久。別府緑ヶ丘高校からプロ入りをして、1956年、ルーキーの年にな、いきなり21勝したピッチャーじゃ。それは稲尾和久投手で決まり

ジュニア:

俺も稲尾投手や思てんけどな。おかんが言うにはその人はコントロールがすごい悪かった言んよ。


ヒロシ:

それは稲尾とは違うわ稲尾投手の武器はなんといっても針の穴をも通すコントロール。外角ギリギリに投げて審判が「ストライク」言うたら、次はボール半分だけ外にずらす。それも審判がストライク言うたら、今度はボールの4分の1外にずらして、どんどんストライクゾーンを広げていった、そういう伝説のあるピッチャーや。コントロールが悪かった、それは絶対に稲尾和久ではない


ジュニア:

俺も稲尾投手とはちゃうな思てんけどな。おかんが言うにはその人は3年連続で30勝した言うんよ。

ヒロシ:

そら稲尾和久やないかい。デビュー2年目35勝、3年目33勝、4年目30勝。3年連続30勝は日本プロ野球会唯一じゃ。もうこんな投手は絶対に出てこん。これは稲尾和久投手で決まりやな。


ジュニア:

俺もな、稲尾投手や思てんけどな、おかんが言うにはその人は性格が悪くて、みんなに嫌われとった言うんよ。


ヒロシ:

そら稲尾とは違うわ稲尾投手はな、誰もが認める人格者じゃ。絶対に人の悪口は言わんかったし、その人柄にあの俺流で有名な落合博満さん、あの人も心から尊敬しとったらしい。それは絶対に稲尾和久投手ではない。

ジュニア:

俺も稲尾投手とは違うな思てんけどな、おかんが言うにはその人は背番号が24番やった言うんよ。


ヒロシ:

稲尾和久やないかい。24番はライオンズの栄光の背番号じゃ。2007年に稲尾さんが亡くなられたあと、24番は西武ライオンズの永久欠番になった。しかしな、稲尾さんがご存命のときには背番号24番、それは若い選手がつけるべきだ言うんで永久欠番にするのには反対されたそうや。ちゅうことでこの24番、平野謙、秋山幸司、これがつけとった時期があるんやな。ちなみにこの24番、栄光の24番を最初に受け継いだのは1976年、ドラフト1位でクラウンライターライオンズに入った古賀正明投手じゃん。ちなみにこの古賀正明投手、私の遠い親戚に当たります。ちゅうことで、24番は稲尾じゃ。稲尾に間違いない。

ジュニア:

俺も、稲尾投手やと思てんけどな、うちのおかんが言うにはその人はスタミナもなくて、中10日ぐらいで騙し騙しやって連投できんやった言うんよ。


ヒロシ:

稲尾とはちゃうやないかい。稲尾はな、デビューから毎年毎年300回以上投げとったピッチャーや。しかも400回を2年投げてるんですよね。ちなみに昨年2022年、先発ピッチャー、リリーフピッチャー合わせて200回以上投げたピッチャーはセリーグにもパリーグにも1人もおらへん。稲尾は連投の効くピッチャーやったんや。ついた名前が鉄腕稲尾。連投ができん?スタミナがない?それは絶対に稲尾和久ではない。


ジュニア:

俺もな、稲尾投手とはちゃうな思てんけどな、うちのおかんが言うにはホームランを600本も打った野村克也が「真のエースはこの人だよ」って言うたらしいんよ。

ヒロシ:

そら稲尾和久やないかい。野村さんな、いろんな本の中で日本プロ野球歴史の中で真のエース、これは2人しかおらん、言われてたんや。そのうちの1人は南海ホークスのエースピッチャーやった杉浦忠さん。そしてもう1人は西鉄ライオンズのエース、稲尾和久さん。野村さんが言うにはな、稲尾さんというピッチャーは品格があったと。自分の投球が終わると相手のピッチャーのために、次の回に投げる相手のピッチャーのためにマウンドの上の土を必ず足でならしおった。しかも打者に向かってもビーンボール、いわゆる顔の近くには絶対投げんかった。それがプロのエースたるもんやと、みたいなことをおっしゃってたんだよ。これも私言いますけども、私、野村さんの本、大好きで買うんですよ。目的はなにか、必ず本の中に稲尾さんを褒めたところがあるんです。その一文が読みたくて私、10数冊も野村さんの本を買ってしまいました。

ちゅうことで、真のエース、野村さんが真のエースいうピッチャーは稲尾和久、この人で決まりや。



ジュニア:

俺も稲尾投手やなと思てんけどな。うちのおとんが言うにはその人はランディジョーンズやないか?言うんよ。

ヒロシ:

お前のおとんはこのわしじゃ。ええ加減にしない。

どうもありがとうございました。

稲尾和久やないかい。24番、背番号24番な、ライオンズの、ごめんなさい。稲尾和久投手やない


ジュニア:

ごめん、俺ちょっとこんなんしてるから、今。


ヒロシ:

はい。


ジュニア:

俺もな、稲尾とう、いな、あっ。


ヒロシ:

いいよ。









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