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史実で楽しむ 光る君へ1(解説・感想・)

更新日:8月26日

【目次】


お目にとまらない系女子:第4回「五節の舞姫」

【動画版はこちら】


【2, 984年の五節舞(重箱の隅編)】

五節舞は新嘗祭の翌日にある、豊明節会という宴会で披露される舞うさ

この年は、9月28日の五節定で4人の舞姫が選ばれたうさ

ドラマでも舞姫は4人だったうさ

ちなみに、これが大嘗祭の五節舞だったら、舞姫は5人うさ

ドラマでは「舞姫たちは三日前に宮中に入り身を清めて……」とあったうさ

本番が11月22日だったので、三日前は11月19日うさ

史実では、この年の舞姫は、藤原景舒の娘さん1人だけ四日前に宮中に入っていたうさ

19日は内裏の常寧殿でリハーサルをしたうさけど

このとき、ボクらの“元足扇ほれほれ東宮花山天皇”が、隠れて覗き見に来たうさ

現代なら、完全に盗撮案件うさよ

20日は通例通り、天皇の御前でリハが行われたうさ

つまり、ボクらの“元足扇ほれほれ東宮花山天皇”は

リハで舞姫を見れるのに、待ちきれなくて前夜に盗撮しに来たということうさ

21日は新嘗祭うさけど、ロバート実資の日記『小右記』によると

翌年に予定している大嘗祭までは、天皇は神態(神事)には出てこないことになっているみたいで

この年の新嘗祭には、実際に天皇は出御しなかったうさ

じゃあ、「今年は新嘗祭には出なくていい」と言われたボクらの“元足扇ほれほれ東宮花山天皇”が、その間になにをやっていたかというと、、、

まひろたちが舞の練習をしていて、

たぶん寝泊まりもしている常寧殿のあたりを夜にうろうろしていたうさ

またしても盗撮案件うさね

この情報をつかんだロバート実資も、

日記『小右記』に 「そんな天皇ってある? 聞いたことねえよ」って書き記しているうさ

まひろは「お目にとまらない自信があります」と言っていたけど

ボクらの“元足扇ほれほれ東宮花山天皇”がまひろたちに襲いかからなかったということは、まひろたちは天皇の好みじゃなかったということみたいうさね

お目にとまらない系女子でよかったね、まひろちゃん

さあ、いよいよ本番 22日の豊明節会の日うさ

宴会のあと、「亥四刻」、つまり夜中の12時近くに五節の舞姫が参内して ようやく五節舞が始まるうさ

そりゃ、道長も眠くもなろうて、うさ

視聴者やSNSで「美しい」と評判だった五節舞のシーンでは、史実と違う演出が3つあるうさ

あ、紫式部が舞姫やったわけないだろ、という、そもそも論は除くうさ

1,史実ではこの夜は雪だった

雪の中の舞姫のほうが絶対に美しいと思ううさけど この辺は、予算やらなんやらの都合があったのかなあと思っているうさ

2,史実では五節舞のときに藤原頼忠はいなかった

声が小さい関白頼忠は、体調不良ということで、

五節舞が参内する前に、職御曹司(中務省の庁舎)に退出していたうさ

ドラマでは、フツーに左大臣源雅信のとなりに座して五節舞を見ていたうさね

3,史実では花山天皇もいなくなっていた

ロバート実資の日記『小右記』によると、

五節の舞姫がジャジャーンと登場する直前に花山天皇はいなくなっていたうさ

よっぽど舞姫に好みの子がいなかったうさかね

ドラマでは、ボクらの“元足扇ほれほれ東宮花山天皇”は、フツーに高御座で五節舞を鑑賞していたうさ

ドラマの五節舞は見せ場中の見せ場なんで、確かに天皇不在じゃ絵的に物足りないうさよね

ここも、あえて天皇の御前での五節の舞姫という演出にしたんだと思ううさ

うさぎ先生的にはグッジョブと思ってるうさ


【3, 新キャラ 藤原義懐】

984年の段階では28歳うさ

義懐のお姉さん懐子が花山天皇の母親うさ

なので、花山天皇の叔父にあたり、この関係は道長と懐仁親王(一条天皇)の関係と同じうさ

おじさんということで花山天皇に蔵人頭に取り立てられ、その後一気に出世する人うさ

天皇の側近ということで、五節舞のときは為時といっしょに天皇のそばにいたうさ

ちなみに、為時は五節舞の二週間後くらいに蔵人だったことが確認できるので、

おそらく五節舞のときも蔵人だったうさ

あと、道兼も蔵人で、宣孝も10月17日に蔵人になっていたうさよ ふふふ

義懐は出世したとはいっても、若くて地位も低いので公卿の支持や協力を得られなかったらしいうさ

義懐の絶頂期の様子が『枕草子』に記されているので、もしかしたら、ききょう(清少納言)が義懐を見ている様子がドラマでも描かれるかもしれないうさ

ちなみに、それは986年の法華八講のときのことうさ

984年段階で従四位上だったのが、次の年には従二位になるというムチャクチャな出世をするんだけど

『国史大辞典』によると、義懐はなんと文盲だったみたいうさ

それなら、「おじうえー」「よしよしー」とかやってるのも納得うさね


【4, 新キャラ 藤原惟成】

年齢には2説あって、984年段階で32歳か42歳うさ 実は義懐よりも年上うさね

惟成は花山天皇の乳母子といって、惟成の母親が花山天皇を育てたうさ

つまり、惟成はボクらの“元足扇ほれほれ東宮花山天皇”が赤ちゃんのころから知っている人うさ


【5, 新キャラ 藤原忯子】

藤原為光の娘で、16歳うさ

ボクらの“元足扇ほれほれ東宮花山天皇”の人生的にはキーパーソンうさけど

まあ、情報がないうさ

そういえば、忯子が入内したときは、輦車宣旨という内裏内で牛車に乗る許可がおりなかったので、忯子は内裏内では歩いて参入したうさ

ただし、忯子だけ特別扱いが悪かったというわけではなく、入内のときには、女性が内裏の内側を輦車に乗って移動する許可である輦車宣旨が出される場合と、出されない場合があったうさ

みんな大好き縛りプレイの忯子なんだけど、忯子について今言えるのはこのくらいしかないうさ 


【6, 倫子んちの構造】

倫子んちは土御門殿なんだけど、『藤原道長事典』によれば、こんな構造をしているうさ

まひろんちは、土御門殿の北東の斜向かいか、斜向かいの隣あたりうさ

うさぎ先生は、第3話を見たときに、最初、倫子たちの女子会は寝殿でしてるのかなーと思っていたうさ

そうすると、まひろが女子会デビューしたときは西の方から入ってきたことになるので

まひろんちの眼の前の東門じゃなくて西門からわざわざ入ったうさか?とぼんやり考えていたうさ

第4話で倫子とまひろがいつもの場所で話しているシーンでは、高欄の外に牛車が停めてあったので、寝殿前の前庭には牛車入れないよなあ。じゃあ、西対かなと思ったうさ

第3話をよく見直したらここでも牛車が停められていたので、図と全く同じではないけど(あたりまえ)、立蔀もあったし、西対でいいのかなあと思ってるうさ

西対に行くから、まひろは西門から入ったと考えておくうさ

うーん、自信ないうさ、、、


【7,その他の雑感】

花山天皇が即位のときに高御座に女を引き込んで、ゲフンゲフン、という逸話はすごく有名だけど

あまりにアレな話なので、信用できないという研究者もいるうさ(たぶん多い)

ドラマでは断言されなかったけど、おそらく、

道隆が流した(事実無根の)ウワサ話を、倫子の父源雅信までもが信じた、という解釈っぽいうさ

そうなると、道隆が流布させたガセネタが雅信・倫子親子を動かして、倫子とまひろの運命を大きく変えた、というストーリーになるうさ

藤原宣孝が散楽のとこで、道長に「オマエ誰だ」的に言ってたけど

宣孝の前後の様子を見てると、まひろといっしょにいた人物が道兼の弟の道長ってくらい調べがついてそうにみえるうさねえ

984年は不作で、米価が高騰した話は『大日本史料』で見つけられたけど 倫子んちに盗賊が入った話は確認できなかったうさ

詮子が懐仁親王だけにこだわるようになる理由が描かれたうさね

まひろは倫子に男からの手紙がたくさんきてることを知っていたし、倫子って誰が手紙をよこしたとか、手紙の内容を取り巻きに見せそうな性格にみえるので、

たぶん、まひろは藤原斉信が倫子に手紙を送ってることを知っているうさ

そういえば、第3話で道長のふところにあった手紙のくだりは、いつ回収するうさかね

ロバート実資は、花山天皇即位のときに断固として蔵人頭になることを断っていたけど

結局、その日のうちに蔵人頭にならされたうさ ちなみに8月27日のことうさ

これからも大河ドラマ話や、日本史の話でもりあがっていくので、ぜひ高評価とチャンネル登録をお願いしますうさ。

よろしくうさー。



五節の舞姫:解説

うさぎ先生:

うさようございまーす。うさぎ先生です

今日は、平安目線で見た伝統芸能

五節の舞姫の解説うさ


【動画版はこちら】


「五節の舞姫」とは

大嘗祭や新嘗祭にともなう豊明節会のときの「五節舞」という舞のために、貴族が献上する舞姫のことうさ

あ、「新嘗祭」とは、天皇がその年の収穫物を神に供えて自分もいっしょに食べる儀式うさ

そして、「大嘗祭」は天皇が即位して初めての新嘗祭のことうさ

豊明節会はそのあとの宴会うさね

ただし、即位が8月以降だったら大嘗祭は翌年に持ち越しうさ

「光る君へ」第4話の五節舞は、

ボクらの“足扇ほれほれ東宮”が、花山天皇として984年8月に即位した年の五節舞だと思ううさから

新嘗祭の舞姫ということになるうさ

『大日本史料』も確認したけど、史実としても984年は11月21日に新嘗祭が行われていて、翌985年に大嘗祭をしていたうさ


大嘗祭のときには5人の舞姫が選ばれるけど、新嘗祭のときの舞姫は4人うさ

舞姫を選ぶことを「五節定」といって、984年は9月28日に行われたうさ

摂関期の舞姫は、国司クラスのご家庭の娘さんから献上されるうさ

まひろパパ為時はこの国司クラスの階層なので、理屈としては、

まひろが五節の舞姫に選ばれても(たぶん)おかしくないうさ


五節舞の本番は豊明節会のときだけど、その前に何日か練習するうさ

練習は“元足扇ほれほれ東宮花山天皇”も見に来るうさ

豊明節会は新嘗祭や大嘗祭の翌日~数日後にある宴会うさ

984年は通例通り、新嘗祭の翌日に豊明節会があったうさ

宴会が盛り上がってきたところに舞姫がジャジャーンと登場して五節舞を舞ううさけど

記録によると、舞姫が登場するのは夜の11時近くだったうさ

ちなみに、ドラマでは再現されるかどうか分からないけど、この夜は雪が降っていたうさ

再現されたら、さぞかし美しい絵になると思ううさ


舞姫の装束は、いわゆる「物具装束」という十二単よりも特別な装束うさ

雑に説明すると

なんかひらひらしたもの(領巾・裙帯)がくっついてて

頭には宝冠が着けられているうさ

吉高ちゃんまひろの物具装束が楽しみうさね



まひろに残酷過ぎ問題:第3回「謎の男」

重要な新キャラがたくさん出てきたので、今回は新キャラ紹介が中心うさ


【動画版はこちら】


【1, 第3話(984年)段階の年齢(数え年)チェック】

まずは、まひろんち系

お父さん大っきらいっまひろ、15歳。

お姉ちゃん大好きっ子太郎、13歳。

そろそろ視聴者のヘイトが溜まってきたお父さん為時、38歳うさ

親戚の宣孝は、33歳うさ。

次は、道長んち系

ふらふらして投獄された道長、19歳。

帰ってきたお姉ちゃん詮子は23歳で、子の懐仁親王は5歳。

実資の取り巻きとしても小物感バツグンの問題児道兼、24歳。

たぶん、もう糖尿病のお兄ちゃん道隆は32歳で、娘の定子は9歳うさ。

9歳なら、自分で起き上がって当然だろ!、、、うさ

お父さん兼家は56歳うさ。道長に言った言葉が本音なのか、ウソなのかが非常に気になったうさ

天皇系だと、

兼家とバチバチ円融天皇が26歳

円熟した足技の東宮が17歳、昔ピストル大名の冒険というゲームがあったのを思い出したうさ

円融天皇と詮子の子、懐仁親王は5歳うさ。

詮子のライバル遵子は28歳で、安倍晴明のせいか、子どもはいないうさ

あとで紹介する藤原公任は遵子の弟うさ

あ、一応、安倍晴明は64歳うさ。長老組は、ほかに、

声が小さい関白頼忠(遵子の父)が61歳

娘のことでお悩み中の左大臣源雅信(倫子の父)が65歳

政界で年齢だけ長老で目立たない人が、第1話の除目のときに、まひろの父為時が自分を推薦する文章を、天皇の御前で読みあげた藤原文範うさ

文範は大納言なので、関白藤原頼忠、左大臣源雅信、右大臣藤原兼家より下位うさ

ちなみに、文範はまひろの母方のひいおじいちゃんにあたるうさ

まひろ母の、ちやはのおじいちゃんってことうさ

第1話でまひろの父為時が推薦文で円融天皇を怒らせたけど

文範からしたら、人事部会議で、かわいい孫娘の無職ダンナの就活エントリーシートを読み上げたら、

社長円融天皇がバチギレして、場の空気が凍りついたということうさね


【2, 新キャラ 源倫子】

第3話の段階では21歳うさ

正直、「ええー⁉こんな性格なのー⁉」と驚いたうさ

この人が、のちのち道長とあれで、まひろをこれするうさか?

この人、主体的に動くのかうさ?

いやー、楽しみになってきたうさ

倫子のお父さんは源雅信うさ

お父さん雅信は生まれたときは皇族で、源氏となったあとも左大臣まで登りつめているうさ

兼家(道長父)は右大臣なので、雅信の上には関白頼忠(遵子・斉信父)しかいないうさ

なお、倫子んち土御門殿は、かなりの確率で、まひろんちの斜向かいうさ

まひろは小さいころからずっと、超絶上流階級の倫子んちの築地塀を見上げながら育ったうさ

そして、まひろは今も高辻富小路の絵師のところや、四条万里小路の散楽を見に行くときは、倫子の豪邸の築地塀の横を歩いたはずうさ

今回、お父さん為時の命で、まひろが倫子んちの上流女子会に行ったけど

このときの服装の違いが超絶残酷だったうさ

倫子たちは上流の人が身につける上質の絹の小袿姿だったのに対して

まひろは普段着の麻の袿袴姿だったうさ

これは、まひろにとって相当キツイうさ

今で言うなら、政治家や芸能人のバカ娘グループがミンクのコート的なドレスコードでパーティしていて

寿司に高級時計を並べて上流・勝ち組マウント合戦をしている中に

デニムとかジャージにトレーナーの庶民(父親は無職で自分は闇バイト)が紛れ込んだようなものうさ


【3, 新キャラ 赤染衛門】

年齢は不詳で、まひろよりも15~20歳くらい年上の世代とみられるうさ

30過ぎくらいで、宣孝と同世代といったところうさね

赤染衛門は中古三十六歌仙の一人に選ばれた女流歌人うさ

百人一首に

やすらはで 寝なましものを

ふけて かたぶくまでの 月を見しかな

とう歌が選ばれているうさ

歌の意味は、

クソ男よ、来ないなら、そう言えや! 寝るタイミング逸しただろが、ボケェ!

ということうさ

夫の大江匡衡ラブすぎて、のちに道長や彰子から「匡衡衛門」と呼ばれるようになるうさ

やたらと人柄が良かったようで、ききょう(清少納言)たちには辛辣なまひろ(紫式部)に好かれるうさ

これから、まひろとどういう関係になるのかが楽しみうさ


【4, 新キャラ 藤原公任】

道長と同年生まれの19歳うさ

声が小さい関白頼忠の長男で、遵子の弟うさ ロバート実資とは従兄弟うさ

関白頼忠の長男だけあって 

同い年の道長が従五位下右兵衛権佐なのに対して、公任はもう従四位上左近衛権中将になっているうさ

なので、四位以上しか着られない黒の衣冠を身に着けていたうさ

漢詩・管絃・和歌の三船の才を称えられ

のちの一条天皇の時代には歌壇の第一人者となるトップアーティストうさ

ドラマの3話でも、すでに漢詩はペラペラと得意だったうさね

政治的には道長のライバル筋にあたるので 大人になったときに道長との関係がどうなっていくのかが楽しみうさ

あ、公任は大人になってから、まひろとも絡むうさ


【5, 新キャラ 藤原斉信】

道長と公任の1歳年下の18歳うさ

「なりのぶ」と読まれることもあるけど、ドラマでは「ただのぶ」うさね

あと10年後くらいに、橘則光というマッチョメンが斉信の部下になるうさ

この橘則光はききょう(清少納言)と結婚しーーーーーーー

――ーて離婚するうさ

大人になったあとの斉信は、ききょう(清少納言)に興味津々っ子うさ

ドラマのオフィシャル紹介で「変わり身の早さ」とあるので、はんにゃ金田の動きで変わり身してほしいところうさ


【6, 新キャラ 藤原行成】

まだ若く、13歳うさ

若いけど、すでに元服しているので、「三郎」のような幼名ではなく、ナレーションには「行成」とよばれていたうさね

そんで、足技の東宮の従兄弟という関係もあって、この歳でもう従五位下うさ

これは6歳年上の道長と同じうさ

書の名人で、13歳ですでに字がうまかったうさよね

ちなみに、ドラマでの道長の字は、実際の道長の字を参考にしてデザインされたみたいうさ

こだわってるうさねー

のちの話しだけど、ききょう(清少納言)のことがかなり好きで、

「餅餤」のエピソード、

中国の孟嘗君の漢詩をパロったギリギリアウトエピソード、

「夜をこめて」の歌のやりとり、

『晋書』王徽之パロのエピソードなんかがあるうさ

最後はすごく面白い日に死ぬんだけど、大河ドラマでどこまで描かれるか楽しみうさ

あと、『枕草子』によれば、「アニメ声が大好きだ!」と自認している口元フェチうさ


【7, 紹介漏れ 藤原実資】

ロバート秋山―――

ロバート秋山――――!!

ロバート秋山―――――!!!

はあっ、はぁっ、はぁっ、、、大切なことなので、何度でも、何度でも秋山を叫ぶうさ

ロバート実資は28歳で従四位上、円融天皇の秘書官をまとめ上げる蔵人頭うさ

生まれは藤原実頼(故人)の孫だから公任のいとこだけど、お祖父ちゃん実頼の養子になったので、家系図的には公任の叔父うさ

従四位上なので、本来は黒い束帯を着る資格があるけど、

キャラを立たせるためか、ドラマでは六位が着る麹塵(きくじん)という緑系の色の束帯を身につけているうさ

あ、ロバート実資が色黒すぎるから、黒が似合わなかったからかも、、、うさ

今も今後も円融天皇の絶大な信頼をえていて、部下の問題児兼家が足を引っ張っているのに、がんばって激務をこなしているうさ

ちなみに、いずれ問題児がさらに2人部下に入ってくるから、ロバート実資は覚悟しておくうさよ

すでに第2回でも鱗片が見えたけど、兼家・道長親子との距離感に注目すべき人うさよ

今後の展開が楽しみうさー


【8, 全体の感想的なやつ】

今回で984年の大波乱に突入するかと思ったけど、

意外なことにきざんできたので、まだ突入しなかったうさ

984年の大波乱予想については、速報動画の第1回を見てくださいうさ

この動画の概要欄にリンクを置いているうさ

印象的だったシーンを並べると

道長の従者の百舌鳥彦って、今回初めてしゃべったうさか?

太郎(惟規)がまひろに「たった2人の姉弟だろ」って言ったので、まひろの姉がドラマではオミットされたことが確定したうさ

道長たち貴族が休日も学問の研鑽をしているシーンは、近年の研究に基づく「貴族は忙しくて、まじめに生活していた」という、

新しい平安貴族のイメージを示したものうさ

平安メンズが恋バナをしていたけど、『源氏物語』第2帖「帚木」にも17歳の光源氏が「雨夜の品定め」と呼ばれる恋バナをしていたシーンがあるうさね

斉信が倫子に恋文を送っていたことも気になったうさ

ロバート実資が女性からの評判を落としていたけど、宮中の女性を敵に回したことが今後どう影響してくるのかが楽しみうさ

まひろと道長が再開した散楽の場所は、「四条万里小路」だったうさ

ドラマで、まひろは「まりのこうじ」と言っていたうさ

ここは、まひろが高辻富小路の絵師の住処に行く途中くらいの場所うさ

道長が住んでいる東三条殿からもそんなに遠くないうさ

距離的には、まひろんちから歩いて30~40分、道長んちからは10分といったところうさ

再開したときは、2人ともスキスキオーラ全開だったうさね うふふ

謎の男は今後どうからんでくるうさかねー

次回の「五節の舞姫」は、ビジュアル的には前半部分の一番の見せ所だと思うので、とっても楽しみにしているうさ



まひろの生年確定:第2回「めぐりあい」

【1, 全体の感想的なやつ】

今回は急展開はなかったものの、第1回のストーリーをしっかりと受け継ぎつつ、「数年後……」的に場面を飛ばしてきたうさね。

明らかにミチカネと藤原道兼とまひろのお母さんの件を知っている、藤原宣孝がかっこよかったうさ。

道長の足の傷の伏線がもう回収されるとは意外だったうさ。

詮子姉ちゃん、かわいそうだったうさ。。。

展開が早いうさね。

お父さん藤原為時は相変わらずカタブツ、、、というか、人の気持が分からない的な人だったうさ。

東宮は為時がずっと自分のもとを去っていかなかったことに感謝していたけど、

あれぜったい為時の真意とすれ違ってますよねえ……

為時は東宮を「帝となっても誰もついていかない」と酷評してるし、うさ。

第2回にして、うさぎ先生が前回の動画で予言した、大波乱の瞬間に近づいてきているので、

次回は確実に大波乱の展開になると予想しているうさ。

とくに、藤原宣孝がどう動くのかが気になるうさよ。

大波乱の瞬間については前回の動画「速報! 大河ドラマ「光る君へ」第1回の見どころ」で語っているので、

この動画の概要欄からぜひそちらもチェックしてくださいうさ。


【2, まひろの(ドラマ上での)生年確定と裳着】

女子の成人の儀式である裳着のときの年齢で、ドラマではまひろが970年生まれ設定だということが確定したうさ。

ここで、第2回に出てきた主要人物の、984年時点での年齢(数え年・一部推定)を確かめておくうさ。

まひろ、15歳。

弟太郎、13歳。

お父さん為時、38歳うさ。

まひろは、今だと中二病まっさかりのお年頃うさね。

次は、

道長、19歳。

お姉ちゃん詮子、23歳。

問題児道兼、24歳。

お兄ちゃん道隆、32歳うさ。

詮子はまだまだ女子大生くらい。

このお年頃で、恋人とイチャイチャしていた過去を全否定されて、

「けがわらしい」とか「覚えてない」とか「忘れよ」とか、、、

円融天皇、キサマは許さん!うさ。

母となって政治家(国母)をしろと言われても、、、せつないうさ。

てか、やっぱ円融天皇、キサマは許さん!うさ。

ここで出てきた「国母」という概念は、学界でとても注目されている概念うさ。

おそらく、大河ドラマ「光る君へ」の最後までぎゅんぎゅんに関わってくる概念だから、いずれ動画で解説するうさ。

あ、そうそうお父さん兼家は56歳うさ。

天皇家だと、

円融天皇が26歳、

東宮が17歳、

詮子が生んだ懐仁親王は5歳うさ。

あ、詮子のライバル遵子は28歳うさね。まだ子どもはいないうさ。

うさぎ先生的には、詮子の年齢が一番違和感あったうさ。みんなはどうだったうさか?

では、平安女子の成人の儀式の裳着を説明するうさ。

裳着とは、女子が成人して初めて衣裳を着ける儀式うさ。

女子の衣裳を後ろから見ると、扇形に広がって地面に引きずっている、スカート的なものを裳といって、それを着けるから裳着うさ。

スカート的なものといっても、裳は背中側半分にしかないうさ。


【3, 代筆仕事と源氏物語】

歌の代筆といえば、『徒然草』の作家の兼好法師が恋文の代筆をしていたことが有名うさね。

ほかにも、ちょこちょこ代筆の話しはあるので、けっこうよくあったことみたいうさ。

生業としてなりたつかどうかは分からないうさけど。

うさぎ先生的には、まひろが代筆業をやっていたという展開はけっこう好きうさ。

まひろが「色んな人の気持ちになって」と言ったように、

若いころに、男側の恋の歌を、男の立場に立って代筆していたからこそ、

将来『源氏物語』を書くときに、男の行動や心理を描写することができた

と考えられるからうさ。

女性で恋愛経験も乏しそうな後の紫式部が、なぜ男が主人公の恋愛マシマシ話しを書けたのかの謎が、ドラマでは代筆業という答えで視聴者に見せてくれたうさ。


【4, 草履が顔に当たる出会いの元ネタ】

X(旧Twitter)のタイムラインで、次のような意見を見たうさ。

まひろと道長が、すっぽ抜けた草履をきっかけに再開するのは、中大兄皇子と中臣鎌足の出会いのオマージュではないか、と。

なるほど、それは、こういう話うさ。

中大兄皇子が飛鳥寺で蹴鞠をしていると、靴がすっぽ抜けて飛んでいった。

それを中臣鎌足が拾って、中大兄皇子のところに持っていったことが、この二人の出会いであった、

というものうさ。

うーん、鞠とか石を蹴るとか、似ているところもあるけど、少し弱い気もするうさね。

問題なのは、この中大兄皇子と中臣鎌足のエピソードは『日本書紀』ではなくて、

『大職冠伝』にあるエピソードうさ。

まひろは、将来のある時期に『日本書紀』を読んだことがあることを匂わせたせいで、「日本紀局』と呼ばれることになるうさ。

このように、まひろと『日本書紀』のつながりは濃いのに、まひろと『大職冠伝』はつながらないので、

まひ道カップルの出会いを、無理に中大兄皇子と中臣鎌足につなげる必要はないのかなと思ううさ。


【5, 代筆場所と夕顔設定】

まひろが代筆をしていた絵師が住んでいた場所は、高辻富小路というところうさ。

ここで代筆を頼んでいた男の1人が、好きな子といっしょに見た花は夕顔だったというシーンがあったうさね。

そのとき、まひろは

寄りてこそ それかとも見め たそかれに ほのぼの見つる 花の夕顔

という歌をつくったうさ。

この歌は『源氏物語』第4帖「夕顔」の中で、

夕顔から送られてきた歌への返歌として光源氏が返した歌だったうさ。

代筆業のときにまひろが作成した歌が、のちのち『源氏物語』に取り入れられることになるということうさ。

なるほどー。

さ・ら・に、

実は、まひろが代筆していた絵師の住処である高辻富小路という場所も、『源氏物語』の夕顔につながるうさ。

高辻富小路という場所の少し南には五条大路が東西に通っているうさ。

この場合、条坊制という平安京の住所表記では、まひろが代筆をしていた高辻富小路は「五条」に含まれることになるうさ。

そして、『源氏物語』で夕顔が住んでいた場所は

そう、この「五条」うさ!

つまり、歌だけでなく、代筆していた場所も、のちの『源氏物語』につながるうさ。

将来のまひろは、若いころに代筆業をしていたときの夕顔の案件を思い出して、

『源氏物語』の夕顔の住処を五条と設定した、と解釈できる展開うさ。

現在、高辻富小路から目と鼻の先に「源語伝説五条辺夕顔之墳」という記念碑があるので、

気になる人は、ぜひ聖地巡礼してみるといいうさね。


【6, 高麗人の筑前国来着】

高麗人(こまびと)が筑前国に来着したという報告が、大宰府から朝廷に上がっていたうさけど、

『大日本史料』での確認ではあるうさが、史実っぽいうさ。

藤原実資が記した『小右記』の分類目録である『小記目録』の

永観2(984)年4月3日に、高麗人が筑前国早良郡に来着したという記事があるうさ。

この日付は、おそらく報告が京まで上がってきた日うさ。

外国人が日本に来着しているというのは、きっと今後の展開の重要な布石になっているうさ。

越前国、オマエのことうさ。



十二単と平安女子おしゃれ解説

今日は、うさぎ先生の乙女心がきゅんきゅんする平安港区女子の勝負服、、、

十二単の解説うさ。あと、女子のその他の日常着も紹介するうさ。


【動画版はこちら】

タンクトップ天狗:

グッド、タンクトップ! はっはっはっ!


うさぎ先生:

また、出てきたうさ。


タンクトップ天狗:

はっはっはっ! 出てくるぞ!

なんてったって、今日はおしゃれ話だからな。


うさぎ先生:

天狗野郎に、おしゃれなんか分かるうさか?


タンクトップ天狗:

もちろん分かるぞ。わしも毎朝タンクトップ選びに1時間かけてるからな。


うさぎ先生:

そう、、、うさか。

どー見ても、前回と同じタンクトップうさよ。


タンクトップ天狗:

うさぎ先生は分かってないぞ。

前回のは木綿のタンクトップ。今回のは麻のタンクトップだぞ。


うさぎ先生:

はい、はい、うさ。

さて、十二単は何枚も衣を重ねて着る平安時代生まれのおしゃれうさ。


タンクトップ天狗:

「獣兄単」となーー!!


うさぎ先生:

(いちいち差し込んでくるなうさ。話しが進まないうさ。。。)


タンクトップ天狗:

獣兄単、、、

それは、マッチョ界で一流のマッチョにのみ許されたおしゃれ。

一流のマッチョはタンクトップの上にタンクトップを重ね着し

パンプアップしたボデーをさらにパンプアップして、獣のような野性味を魅せるという。。。

あわわわわ、、、ごっついのう。


うさぎ先生:

はい、はい、うさ。


【トランジション】いつ十二単を着ていたの?

うさぎ先生:

ふだんからたくさんの衣を着ていると、作業をしているときは動きづらいし一人でリラックスするのも難しいうさ。

あと、これだけ重ね着するとものすごく重くて、

まひろ役の吉高さんは撮影後に「私、肩ある? なくなった?」とコメントしたほどうさ。

だから、十二単を着るのは基本的に表向きの席に出るときうさね。

逆に、自宅で過ごしているときのまひろは、質素な袿を着ているうさ。

袿は、あとで紹介するけど、平安貴族女子の日常着と思っていいうさ。


【トランジション】十二単の素材はなに?

うさぎ先生:

原則として、ぜんぶ絹と思っていいうさ。シルクうさね。

中国産の絹が細くて真っすぐで、最上級のものとされていたうさ。

夏用の十二単と冬用の十二単とで、異なる絹が使い分けられていたうさ。

冬には、絹で作った真綿を入れて防寒することもあったうさ。


タンクトップ天狗:

綿入りのタンクトップも乙なものだぞ。


うさぎ先生:

……


【トランジション】十二単の構成を教えて

うさぎ先生:

上の絵を見るうさ。一番上に着用しているのが唐衣うさ。

身分が高い人の前に出るときには、ぜったいに着てないといけなかったうさ。

手に持っているのは檜扇で、おしりの方には裳を着けているうさ。

唐衣以外で一番上に着ているのは表着うさ。

人からよく見える衣なので、豪華な織物を使ううさ。

表着の下が、五衣と打衣うさ。これらは袿を重ね着したものうさ。

平安港区女子は、五衣と打衣の「かさね色目」に気を配ったうさ。

五衣の下が単うさ。もともとは肌着だったうさ。

一番下が小袖という下着的衣うさ。ボトムスには長袴をつけるうさ。

もう一回完成形を見てみるうさよ。


【トランジション】

うさぎ先生:

反対に、着付ける順番でみてみると、

1番。小袖を着て、長袴をつけるうさ。あ、足には襪という指股がない絹の足袋的なものを履くうさ。

2番。単を着るうさ。単は他の衣よりも丈を長く仕立てているうさ。

3番。五衣を着るうさ。袿を重ね着して、色のグラデーションのバエ具合で平安港区女子さるかにマウント合戦をするうさ。

『栄花物語』によると、

袿を20枚も重ね着してインプレ稼ぎにはげんでいた女房が藤原道長に呆れられたという話しがあるうさ。

そして、道長が袿の枚数を5枚に制限したらしいうさ。ほんとうさかね。

『栄花物語』は藤原道長ステマ案件が多いことで有名だから、気をつけるうさよ。

4番。打衣を着るうさ。打衣は砧で打って柔らかさと光沢を出した衣うさ。

5番。表着うさ。豪華にキメるうさ!

6番。唐衣と裳うさ。フォーマルの証うさね。

なお、裳は腰から下にまとって、後ろに引く衣で、フォーマルなうえに、大人女子の証でもあったうさ。

女の子は成人するときに始めて裳を着けるので、女性の成人式は「裳着」と言われたうさよ。


タンクトップ天狗:

マッチョ界隈でも、一人前の大胸筋と認められたら、はじめてタンクトップを着ることが許されるぞ!

これを「タンクトップ着」と言うんだぞ。


うさぎ先生:

誰に認められなきゃいけないうさか。マッチョは。


【トランジション】その他の女子おしゃれは?

うさぎ先生:

平安港区女子の日常着は、さっき少し出てきた袿と袴姿で、袿袴と言ううさ。

室内着と外出用とで袴の長さが違うさ。吉高ちゃんまひろも外出のことを考えて袴を短くしていることが分かるうさ。これは切袴といううさ。

ただ、ドラマでは、室内もまひろは切袴で過ごすかもうさ。

ばちくそに暑いときは、さらにカジュアル、、、というか、人に見られないことを前提で、

お家では袴の上に単だけ羽織って過ごすこともあったみたいうさ。この姿を単袴と言ううさ。

スケスケで体のラインまで見えるので、なにかの拍子でこの姿を垣間見た男子諸君は、ズッキンドッキンするうさね。


タンクトップ天狗:

わしは、ホットパンツにTシャツ一枚のパツキンねーちゃんが大好きだぞ。


うさぎ先生:

天狗の嗜好なんて、誰も知りたくなかったうさ。

もう少し特殊な女子おしゃれを追加しておくなら、天皇のキサキなどの身分の高い女性は、小袿といって、普段は五衣の上に袿をつけた姿になるうさ。

女房が人に会うときにも、この姿になることがあるうさ。

また、成人前の女の子は、正装だと汗衫、日常着だと丈が短い衵姿になるうさね。


【トランジション】

うさぎ先生:

まとめうさ。

人目があるところでのフォーマルスタイルは、十二単うさ。

肌着の上に、袿を5・6枚重ね着して、表着や唐衣で仕上げるうさ。

女子の普段着は袿袴うさ。

まひろちゃんのように、生活するためにいろいろな作業をする人は、袿袴で動きやすくしておくうさ。

袿袴姿には、もろに生活感が出るんだろうなと思ううさ。

夏の実家で、扇風機の前で下着一丁になってるようなだらしない格好が、単袴うさね。

誰かに見られないようにしておかないとね、うさ。


タンクトップ天狗:

うぬの話しは勉強になったぞ。

今度は、平安時代のアニキがどんなタンクトップを着ていたのかを教えていただこうか。


うさぎ先生:

そんなもん着るわけないうさ。

今後の動画で紹介するのは、平安時代貴公子が身につける束帯とかの、ステキ男子のきゅんきゅんするスタイルうさね。タンクトップはおよびでないうさ。

あ、これからも大河ドラマ話や、日本史の話でもりあがっていくので、ぜひ高評価とチャンネル登録をお願いしますうさ。

よろしくうさー。



速報!第1回の見どころ:第1回「約束の月」

【動画版はこちら】


【1,お姉ちゃんを大胆にオミット⁉︎】

まひろにはお姉ちゃんがいて、まず同居していたはずなんだけど、ドラマでも公式サイトのキャスティングでも完全にスルーされているうさ

史実では、お父さんが越前守になる少し前の994年ごろにお姉ちゃんと死に別れているので、お姉ちゃんを出せばけっこういい役どころになりそううさだけど…う〜ん

このままオミットするにしても、どこかで出てくるにしても、かなり大胆な展開になりそううさね

ちなみに、ドラマで、まひろがお母さんに「お母さん、また衣を食べ物に換えたの?」というセリフがあったけど、お姉ちゃん不在問題が気になっていたうさぎ先生は、「子どもを食べ物に換えたの?」と空耳して、胸がバクついていたうさ。衣でよかったうさ〜



【2,お母さんが生きている(いた)】

史実では、ドラマの始まりとなった977年よりも2〜3年前にお母さんは死んでいたと考えられているうさ

ただ、あくまでも推測であって確定した歴史的事実ではないから、ドラマではまだ生きていることとしているうさね

ほぼニート為時の就職の願掛けのために毎日お参りを続けるけなげなお母さんうさ…うっうっ…

もう涙が止まらないうさ~~

ちなみに、まひろは毎日お母さんについてお参りに出掛けていたので、三郎なみに日焼けしていたと思うんだけど、やたらと美白だったのが気になっていたうさ

あの時代の下級貴族って裳着(成人)前から化粧していたうさか? 調べなきゃうさ



【3,まひろは970年生まれ⁉︎】

まひろこと紫式部は生没年不詳うさ

ドラマの監修の倉本先生は、著書『紫式部と藤原道長』では暫定で973年生まれ説によって話を進めていたけど、

ドラマでは970年生まれ説によるみたいうさ

こうなると、まひろと三郎は4歳差で、二人が出会ったのは、まひろ9歳(数え年)、三郎13歳のときうさね、小2と、小6といったところうさ

漢籍が読める小2女子に、「足で名前が書けるぜ」っで自慢するバカ男子(小6)、あ〜ね〜、あるあるって感じうさ

ちなみに、当時の漢籍っていうのは大人の公式文書に使われる文章なので、今で言うなら、まひろは契約書とか法律とか、純文学とか古典が読める小2ってかんじうさ…スゲっ!



【4,『源氏物語』若紫に繋がる出会い】

一見、まひろと三郎の出会いがとてもベタだったうさね

逃げた鳥を追いかけて外に出るまひろ、走って追いかけた先には三郎がたたずんでいた…うさ

まるで、パンを加えて「遅刻遅刻~」って走ってきた転校生とぶつかったかのようなベタさだったけど、これは実は『源氏物語』の若紫と光源氏の出会いになぞらえているうさ

『源氏物語』第5帖「若紫」では、18歳の光源氏が熱病を患ったときに、行者の加持を受けるために北山に入るうさ

そこで、散歩の途中にある美少女を垣間見るうさ

このとき、美少女若紫は「雀の子を犬君が逃がしつる。伏籠の中に籠めたりつるものを」と雀の子が逃げちゃったのを泣いていたうさ

まひろの経験が、将来の『源氏物語』執筆に活かされるということうさね


【5, アレげな東宮(花山天皇)】

お父さん為時が教えることになった東宮、のちの花山天皇はアレげな天皇として昔から有名だったうさ

でも、ドラマを監修している倉本先生は、それは藤原氏など、あとあと政権を奪った人たちが花山天皇のネガキャンしたからであって、確実な史料によるならは、けっしてアレげな人物ではなく、まっとうな人物だったのではないかと評価しているうさ

でもでも、ドラマではさっそくアレげな気配をぎゅんぎゅんに漂わせていたうさね

このまま、全力でアレげな花山天皇を見せてほしいうさ

うさぎ先生は、全力でアレげな花山天皇を応援しているうさ

ちなみに、ドラマではお父さん為時は藤原兼家のスパイとして東宮のもとに仕えたうさね

のちのち、為時と宣孝は同時に花山天皇の蔵人(秘書官)になるんだけど、花山天皇が譲位したときに宣孝は次の天皇のときも蔵人を続けられるんだけど、為時はクビになるうさ

これは、ドラマだと、花山天皇のスパイとしてのみ為時には使い道があったので、花山天皇が失脚したら用無しという扱いだというとこうさね

お父さん……実力でお仕事もらえる日がくるといいうさね……

くるけど


【6,道兼暴れすぎ問題】

これはもう、「ありえん!」とか、「それはさすがに…」とか、すべての批判を受けるのを覚悟でかましてやった脚本うさね!

こうした大胆な脚本の成否は終わってみないとわからないものうさ

じっくりと見続けていくうさ

見どころは、この段階では、まひろは「ミチカネ」が藤原氏の者だということも知らないし、三郎のお兄ちゃんだということも知らないということうさね

だから、まひろはお父さんがなんであんなことを言い出したのかまったく理解できないうさ

じゃあ、まひろがいつ「ミチカネ」が藤原道兼と分かるのかを予想してみるうさ

それは、ズバリ984年うさ!

今後の道兼の官暦を考えると、道兼は984年に現段階の東宮が花山天皇として即位したときに、天皇の側近である蔵人に任命されるうさ

なんと、このとき、、、

まひろのお父さんである藤原為時と、まひろの将来の夫となる藤原宣孝も蔵人になっているうさ

お父さんと将来の夫とお母さんの仇が同僚、、、これは大波乱の予感うさね~

これからも大河ドラマ話や、日本史の話でもりあがっていくので、ぜひ高評価とチャンネル登録をお願いしますうさ。

よろしくうさー。



まひろのお家から、大河ドラマ「光る君へ」を大予想してみた

うさぎ先生:01

お久しぶりうさ。 うさぎ先生復活うさ!

2024年は大河ドラマ「光る君へ」に便乗して、ドラマの解説とか、歴史的事実の解説とか、展開の予想とか、いろいろ話していくうさよ。

最初は、、、


タンクトップ天狗:01

ターンクトップ天狗じゃー!!


うさぎ先生:02

ええっーーーーー!!!????

誰? 誰うさか!?


【動画版はこちら】

タンクトップ天狗:02

天狗がタンクトップを着ているから、タンクトップ天狗じゃ!

すなわち、タンクトップ天狗だぞ!


うさぎ先生:03

すなわちってない。 すなわちれてないうさよ!

新キャラ? 新キャラうさか? 誰が望んだうさか??


タンクトップ天狗:03

はーはっはっはーーー!

新シリーズには新キャラがつきものなんだぞ!


うさぎ先生:04

そ、そうなのかうさ?

わかったうさ。

じゃあ、あなたはどんなキャラなのかうさ?

ボケ? ツッコミ? オーディエンス?

中の人は?


タンクトップ天狗:04

すなわち、タンクトップを着た天狗なんじゃー!


うさぎ先生:05

(気に入ってるうさね、「すなわち」が。なんとかの一つ覚えうさね)

って、説明になってなーい。うさ。


タンクトップ天狗:05

生徒じゃ! わしはすなわち生徒なんじゃ!


うさぎ先生:06

あ、言葉は通じてるうさね。

って、生徒ぉ―?

んー、わかったうさ。

これ以上かまってると話が進まないから、そこは認めて本題を進めていくうさ。

進行のジャマしないように、口を閉じたり、息を止めたり、むしろ息の根をとめて、そこで大人しく聞いてるうさよ。


タンクトップ天狗:06

うむす!


うさぎ先生:07

(ほっ)

じゃあ、気を取りなおして、今回は「このドラマのヒロイン(まひろ=紫式部)とヒーロー(三郎=藤原道長)は、どんなふうに出会うのかを予想してみよう」

というテーマうさ。

はるか古の昭和時代だったら、出会いといえば、パンを口にくわえて「遅刻、ちこくー」と走って登校する転校生のヒロインが、

曲がり角でヒーローにぶつかって、

そんで、同じ教室で出会う、

という展開以外は許されなかったうさ。

うそだけど。


タンクトップ天狗:07

(ほわわ~~んとヒーローを自分に置き換えて想像する)


うさぎ先生:08

オマエじゃないうさよ。

それはさておき、大河ドラマでは、まひろと三郎はどう出会うのかを予想してみるうさ。

ちなみに、いまさらだけど、まひろは紫式部のことで、三郎は藤原道長のことうさ。

まず、史実を確かめておくと、大人になったまひろと三郎は関係があるうさ。

たとえば、大人になった三郎こと藤原道長は、まひろが『源氏物語』を書くのを助けてるうさ。今でいうと投げ銭うさね。

あ、このチャンネルの審査がいつか通ったら、みんなもガンガン投げ銭してくれてもよくってよ、、、うさ。

そのためにも、みんなのチャンネル登録や高評価のグッドボタンをお願いするうさ。


タンクトップ天狗:08

お願いするぞ!


うさぎ先生:09

(そこは協力的うさなのね)

じゃあ、子どものころはどうなのか、が気になるうさよね。

まずは、NHKの公式サイトの人物紹介を見てみるうさ。

まひろの紹介文には

「数歳年上の藤原道長とは、少女のころ知り合い、惹かれ合うも、身分差に阻まれる」

とか

「ひょんなことから知り合った三郎に興味を引かれ」

とあるうさ。

三郎の紹介文には

「まひろ(紫式部)とは幼いころに出会い」

とか

「偶然であったまひろと親しくなる」

とあるうさ。

おおっ! 二人は子どものころに出会っているとのことうさ。

ここで、平安時代の歴史に詳しい方には、「おや? 若いころの紫式部と藤原道長って出会っていたっけ?」

と思われた方もいらっしゃるかもうさ。

あ、紫式部は、「光る君へ」では「まひろ」ですよ。早く慣れていきましょううさ。うさぎ先生もまだ慣れてないうさ。

そうなんです。史実としては、二人が若かったときに出会ったとか出会ってないとか、確実なことは言えないうさ。

ならば、ということで、「光る君へ」の時代考証を担当されている倉本一宏先生が、まひろと藤原道長の若かりしころについて、どう語っているのかみてみるうさ。

倉本先生は、著書の『紫式部と藤原道長』で次のように言っているうさ。

「五男とはいえ摂関家の子息である道長と無官の貧乏学者の女である紫式部が幼少時に顔を合わせた可能性は、ほぼゼロといったところであろうか」


うさぎ先生・タンクトップ天狗:

いきなりかーい!


タンクトップ天狗:

「五男とはいえ摂関家の子息である道長と無官の貧乏学者の女である紫式部が幼少時に顔を合わせた可能性は、ほぼゼロといったところであろうか」

大事なことなので、2度言ってやったぞ。


うさぎ先生:

あ、ありがとう……うさ。

まあ、文献史学の成果としての史実は倉本先生がおっしゃる通りなのでしょううさ。

ドラマというフィクションは、史実を元にストーリを作り上げていくものなので、この動画でも、史実をもとに、ドラマのストーリを予想して楽しんだり、ドラマが創作したフィクションを史実とくらべて楽しんだりしていくうさ。

史実でドラマに水をさすのではなく、史実を学んでもっとドラマを楽しんでいこうというのが、この動画シリーズの目的うさ。


【トランジション】


では、まひろと三郎が住んでいたお家から、二人の出会いを考察していくうさ。

まひろファミリーが住んでいたおうちは、堤中納言から数代相続してきた堤第(つつみてい)の半分の敷地だったみたいうさ。堤中納言は、中納言兼輔という名で、百人一首に

「みかの原 わきて流るる いづみ川 いつ見きとてか 恋しかるらむ」

という歌が選ばれている人うさ。

その堤第の場所は、正親町小路の南で、東京極大路の東の、鴨川の堤うさ。

それに対して、三郎が結婚前に住んでいたおうちは、三郎の父の藤原兼家の東三条邸で、まひろん家からはけっこう遠いうさ。


タンクトップ天狗:

これは会うチャンスはないな!

解散!


うさぎ先生:

だまって最後まで聞いているうさ!

ここからがいいところうさ。

まひろん家の斜め向かいの大きなお家に注目するうさ。

ここに大きなお家があるうさよ。

ここは、知る人ぞ知る「土御門殿」うさ。

まひろが子どものころ、この土御門殿は源雅信のお家だったうさ。


タンクトップ天狗:

知らん! 解散!


うさぎ先生:

(無視しとくうさ)

源雅信は宇多天皇の孫で、まひろファミリーより、はるかに身分が高い家系の人うさ。

そして、源雅信には、まひろよりも9歳年上(推定)の倫子という娘がいたうさ。

「推定」というのは、紫式部は生まれた年も死んだ年もわかってないけど、ドラマでは973年生まれと設定される可能性が高いからうさ。

このへんについては、動画の説明からブログを読んでみてほしいうさ。


タンクトップ天狗:

宣伝だな!


うさぎ先生:

(無視。無視)

現代でたとえるなら、小学生になったばかりのまひろには、自分んちの斜め向かいの豪邸にお嬢様中学生のお姉様が住んでいたってことうさ。きっと縦ロールにちがいないうさ。

まひろにとっては、幼いころから、倫子は斜め向かいに住んでいるというウワサの、9歳年上のあこがれのお嬢様だったんですよね。

このお嬢様なお姉様こそが、のちに三郎と結婚して、『源氏物語』を書いていたまひろを宮仕えにスカウトする源倫子、その人うさ!

土御門殿とは、のちに藤原道長ん家として有名になるお家だったうさよ。


タンクトップ天狗:

なんだってー! キバヤシさん!


うさぎ先生:

「キバヤシさん」って、誰うさ?

まあ、ほっとこ、、、うさ。

そういった歴史的事実から考えると、三郎がまひろと出会うとしたら、

一つの可能性は、倫子ちゃんを口説きに行くときなんだけど、、、どうなるうさかね。


タンクトップ天狗:

藤原道長がドラマの最初は「三郎」という幼名で登場するということは、元服、すなわち大人になる儀式を経て「道長」と呼ばれるようになる前からドラマが始まるということだから、二人が出会うのは、道長が15歳になるより前のことだと思うぞ。

まひろは三郎より7歳年下だから、8歳より幼いころだな。


うさぎ先生:

こういうときだけ正論ぶっこんでくるうさね。

「すなわち」の使い方も正しいし。

そう、うさね。じゃあ、まひろ7歳で想像してみるうさ。

あ、今さらながら、年齢はぜんぶ数え年うさ。

三郎は、まひろより7歳年上なので、

NHKの紹介にあるように

「数歳年上の藤原道長とは、少女のころ知り合い、惹かれ合うも、身分差に阻まれる」

とあるので、

現代でたとえるなら、

パンピー小1のまひろ7歳が、超絶お坊っちゃま中学2年生の三郎14歳と出会って、「惹かれ合う」ということうさ。

……大丈夫か? 中学生?

「身分差に阻まれる」ってあるけど、身分差がなかったら、中2三郎は「GO TO 小1!」したうさか!?

ちなみに、このとき、倫子は金髪縦ロールのお嬢様高校生、16歳うさね。


タンクトップ天狗:

縦ロールは紫色の時代だぞ!


うさぎ先生:

なんのネタかわからないうさ。。。

天狗はおいとくとして、

さらに興味深い点は、、、

もう一回、まひろと倫子のお家の位置関係を見てみるうさ。

2人とも、おそらく生まれたときからこのお家に住んでいるうさ。

ということは、まひろが三郎と出会う前に、まひろは倫子と先に出会っていた!

というルートもありなんですよね!……うさ。

それなら、それなら、小1まひろと中2三郎が出会っていたことを、倫子が知っていたのかどうかも気になるうさね。

さらーに。

藤原道長、すなわち大人になった三郎が、倫子と結婚したのは、

道長22歳。倫子24歳。そして、まひろ15歳のときうさ。


タンクトップ天狗:

「すなわち」を、パクるなよ!


うさぎ先生:

ウザ。。。

中学生(15歳)のお年頃になったまひろは、斜め向かいのお嬢様(24歳)が藤原氏の男と結婚するというウワサを耳にする、、、

たぶん、相手が藤原氏の道長という情報までは、まひろの耳にも入ると思ううさ。

このとき、まひろは、藤原氏の道長がかつての三郎だと知っていたのか?

気になるうさーー♡

きゃー♡

まひろが幼いときに出会ったときに「身分差に阻まれる」ってあったので、三郎がええとこのお坊ちゃまということは分かっていたはずうさ。

もし、道長が三郎だと知っていたなら、

20代で高貴な道長という、はるか手の届かない人が、

20代で豪邸に住んでいる血統の良いお嬢様、という格が違いすぎる倫子と結婚するという話を、

斜め向かいの家に住んでいるパンピーまひろは、どんな気持ちで聞いていたんだろううさ。

切ないうさー♡ ドラマうさー♡


タンクトップ天狗:

うさぎ先生も女子だな!


うさぎ先生:

恋バナがサイコーに盛り上がっているタイミングで、

宇宙一デリカシーなさそうな生き物が入ってこないでもらえる?、、、うさ。

まあ、そんなわけで、大河ドラマ「光る君へ」は、最初っから恋のハリケーンが吹き荒れるドラマになるかもしれないうさ。

うさぎ先生の乙女心もチュクチュクしてるので、みんなもぜったい見るうさよ。


タンクトップ天狗:

わしの大胸筋もヒクヒクしてるぞ!


うさぎ先生:

ダマるうさ!

あ、これからも大河ドラマ話や、日本史の話でもりあがっていくので、ぜひ高評価とチャンネル登録をお願いうさ。

よろしくうさー。



ドラマ紹介と鑑賞ポイント予想 「光る君へ」予習編

「光る君へ」

2024年 NHK大河ドラマ第63作は「光る君へ」です。平安時代の紫式部の物語です。

今回は、ドラマを楽しむための基本的な時代背景と、3つの見どころまでを、分かりやすく紹介いたします。

最後までご覧になっていただければ、大河ドラマ「光る君へ」がテレビの前の皆様に見てほしいポイントが理解できるようになり、これから大河ドラマ「光る君へ」をご覧になる方にとって、大いに役立つこと間違いありません。

この講座では、そういった情報をまとめて、分かりやすくお話させていただいております。大河ドラマを見ない方にとっても、紫式部が活躍した平安時代の本当の面白さを楽しんでいただければ嬉しいです。


それでは始めさせていただきます。

まずは、NHKのドラマ紹介文章を読んでみましょう。NHKの「光る君へ」の紹介サイトには、


主人公は紫式部 時代は平安

千年の時を超えるベストセラー『源氏物語』を書きあげた女性

「光源氏」の恋愛ストーリーの原動力は

秘めた情熱と想像力 そしてひとりの男性への想い

その名は藤原道長

変わりゆく世を自らの才能と努力で生き抜いた女性の

愛の物語


とあります。また、


躍動せよ!平安の女たち男たち!

創造と想像の翼をはためかせた女性 紫式部


ともあります。


そうなんです。2024年の大河ドラマ、そう、大河ドラマ第63作は、平安中期に生まれ、世界最古の女性文学と称される『源氏物語』を創作した紫式部の生涯を描いたものなのです。紫式部が生きた平安中期といえば、武家が台頭してきた時代です。武家の台頭が迫る中、華やかに開花した平安文化の華。華麗な平安貴族の世界と、一生懸命に生き、物語や日記を書き、人を愛した女性の人生に挑戦する、意欲的で見ごたえのある大河ドラマです。


平安時代と言えば、十二単を身に纏い、長い髪を引いている女性の姿を思い浮かべる方も多くありませんか。その優雅さはさておき、実は平安時代は活動的な時代でした。これがポイントの1つ目です。実は、平安時代は活動的な時代だったのです。平安時代の男性は仕事で駆け回り、お寺や神社、野山まで馬で駆け巡ります。中下級貴族は都を遠く離れた地方の国まで行って働きます。平安時代の女性も自分の財産を持ち、家事だけでなく、お出かけしたり、宮仕えをしてキャリアを磨いたりしました。こういった男女ともに活気に満ちた姿は、現代にも通じるものがあります。

大河ドラマ「光る君へ」を見るときは、男性や女性が屋外でのような活動をしていたのかに注目したいですね。これが、「光る君へ」を見るときのポイントの1つ目でしょう。そう、最新に研究者の監修による平安貴族の描きかたが、私たちが昔からイメージしてきた平安貴族の日常を塗り替えてくれることが楽しみです。


それにもかかわらず、活気に満ちた平安時代でも、他の時代と同様に、女性には学問は必要ないとの見解が一般的でした。しかし、主人公の紫式部は、そのような状況の中で、自分自身の知性と感性、そして不屈の努力を駆使して、壮大で繊細な恋愛長編『源氏物語』を創り上げた才媛です。その紫式部の『源氏物語』創作には、藤原道長という一人の男性が欠かせませんでした。ドラマでは、紫式部が生涯を通じて心を寄せ、影響を与え合いながら人生を切り開いた、まさにパートナーとも言える存在として登場します。

この、紫式部と。紫式部はドラマでは「まひろ」という名前ですが、まひろ藤原道長の関係が、ぜったいに2つ目のポイントになりますよね。

ここで、少しだけドラマの予告をのぞいてみましょう。

大河ドラマ「光る君へ」の公式サイトには、紫式部ことまひろは「数歳年上の藤原道長とは、少女のころ知り合い、惹かれ合うも、身分差に阻まれる」とあります。おおっ。ドラマでは、若いころの2人は知り合って、惹かれあっていたのですね。

さらに、紫式部ことまひろ藤原道長は、「その心は生涯離れることのできない、ソウルメイトとしてつながっていた」ともあります。

……ん?「ソウルメイト」とはなんでしょうか。聞き慣れない言葉です。デジタル大辞泉という小学館が提供している辞書によると、「ソウルメイト」とは「相性のいい人」や「心の友」を意味します。ただ、世の中では一般に、「運命の相手」とか「特別な関係、すなわち絆がある相手」といったニュアンスで使われています。

なるほど、まひろ、、、紫式部のことですが、紫式部ことまひろと、藤原道長の「特別な絆」が物語の中心になるのでしょう。二人の間の絆という2つ目のポイントからは、毎週目が話せなそうです。


ここで、平安時代の歴史に詳しい方には、「おや? 若いころの紫式部藤原道長って出会っていたっけ?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。あ、紫式部は、「光る君へ」では「まひろ」ですよ。早く慣れていきましょう。私もまだ慣れていません。

そうなんです。史実としては、2人が若かったときに出会ったかどうかについて、確実なことは言えません。ここでちょっと、「光る君へ」の時代考証を担当されている倉本一宏先生2人の若かりしころについてどう語っているのかみてみましょう。


倉本先生は『紫式部藤原道長』で次のように言っています。


「五男とはいえ摂関家の子息である道長と無官の貧乏学者の女である紫式部が幼少時に顔を合わせた可能性は、ほぼゼロといったところであろうか」


いきなりかーい!


まひろが生まれたときから住んでいた場所は、曽祖父兼輔から、雅正→為頼→為時と伝領された堤第(つつみてい)の半分の敷地だったようです。

その場所は正親町小路の南で、東京極大路の東の鴨川堤です。


道長が結婚前に住んでいたところは、東三条邸で、まひろん家からはけっこう遠いです。後に結婚する倫子が住んでいる土御門邸がまひろん家の斜向かいなので、まひろと出会うとしたら、結婚前に倫子ちゃんを口説きに行くときなんですが、、、どうなるんでしょうね。楽しみです。



「光る君へ」を楽しむ参考文献リスト

オススメ!『光る君へ〈紫式部とその時代〉』(NHK出版)→https://amzn.to/4arFW1V

オススメ!紫式部と藤原道長』(倉本一宏)→https://amzn.to/3NqFJlT

オススメ!『清少納言と紫式部』(丸山裕美子)→https://amzn.to/47VQEvY

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