【目次】
藤原娍子(ふじわらのすけこ/せいし)
まずは、NHK公式の紹介を引用して、大河ドラマ上での設定を確認しておきましょう。
藤原済時(ふじわらのなりとき)の長女。居貞親王(いやさだしんのう)のもとに東宮妃として入侍(にゅうじ)。
居貞親王(三条天皇)より約4歳年上で、約19歳のときに約15歳の居貞親王と結婚します。なお、このとき居貞親王は初婚ではなく、4年前の約11歳のときに2歳ほど年上の綏子と結婚していました。
夫の居貞親王とは、かなり仲が良かったようで、夫が普通の人だったら幸せな人生を歩めたと思います。ただ、夫が政局の渦中に入るため、娍子も平穏な人生を歩めたとは言いにくいです。
たとえば、居貞親王の妻として盤石の地位を築いていたところに、藤原道長の娘のキラキラ妍子が割り込んできます。
※下の絵をこの前つくったんですが、41話を見た後だと、親の身分の違いや後見人の力の違いって、あんなに大きいんですね。
キャスト:朝倉あき(あさくらあき)
1991年生まれの女優です。神奈川県出身です。ジャパン・ミュージックエンターテインメント(イー・コンセプト)所属です。
大河ドラマでは『江〜姫たちの戦国〜』(なつ)、『おんな城主直虎』(高瀬)、『青天を衝け』(大隈綾子)に出演しています。
解説:実際の藤原娍子
生年:972年~没年:1025年(約53歳)
藤原済時と大納言延光の娘です。藤原通任は弟となります。
三条天皇が居貞親王だったときに結婚して、敦明親王をはじめ、四男二女をもうけます。
以下の記事のとおり、ライバル二人が消えたと思ったら、またライバルがやってきます。子どもが娍子を安心させてくれず、夫も無念な人生を歩むので、なかなかに苦難の人生を歩みます。
12回:「思いの果て」(987~989年)ごろの娍子
永延元年(987年)約15歳
9月26日、将来のムコとなる居貞親王が、兼家の娘の綏子(すいし)と結婚します。
13回「進むべき道」・14回「星落ちてなお」(990年)ごろの娍子
正暦二年(991年)約19歳
12月1日、居貞親王と結婚します。
15回「おごれる者たち」(993年)ごろの娍子
正暦四年(993年)約21歳
4月22日、娍子が内裏に入ります。
9月、娍子が懐妊します。、、、早っ!
16~18回「岐路」(994~995年)ごろの娍子
正暦五年(994年)約22歳
5月9日、敦明親王が生まれます。
長徳元年(995年)約23歳
4月10日、道隆が亡くなります。娍子てきには、ザマアです
19~21回:長徳の変(996年)ごろの娍子
長徳二年(996年)約24歳
8月、娍子が懐妊します。
12月14日、敦明親王の着袴です。
22~26回:長徳年間(997・998年)ごろの娍子
長徳三年(997年)約25歳
5月19日、敦儀が生まれます。
7月9日、道綱が夫居貞親王の東宮大夫となります。もっと使えるヤツをよこしてほしいものです。
長徳四年(998年)約26歳
長徳年間、ライバルの綏子が源頼定と密通しやがります! 娍子は勝利確定か!?
12月2日、娍子の御所に強盗が入ります!!!
27回「宿縁の命」(999年)ごろの娍子
長保元年(999年)約27歳
3月、娍子が懐妊します。
6月14日、内裏が火事になります。
7月8日、東三条殿にうつります。
8月19日、敦儀の着袴です。
10月19日、敦平が生まれます。
28回「一帝二后」(1000年)ごろの娍子
長保二年(1000年)約28歳
7月21日、娍子が体調を崩します。
12月2日、敦明親王の読書始です。
この年、当子が生まれます。
29回「母として」(1001年)ごろの娍子
長保三年(1001年)約29歳
12月29日、敦平の着袴です。
30回「つながる言の葉」((1002~)1004年前半)ごろの娍子
長保四年(1002年)約30歳
8月2日、ライバルの原子が約21歳で急死します。これは、娍子は完全に勝ち確定ですねっ、きっと!
長保五年(1003年)約31歳
この年、禔子内親王が生まれます。母は娍子です。
寛弘元年(1004年)約32歳
2月7日、綏子が約30歳で亡くなります。娍子的には、ザマアもいいとこです。
8月23日、当子の着袴です。
32回「誰がために書く」(1005年)ごろの娍子
寛弘二年(1005年)約33歳
8月1日、師明が生まれます。
34回「目覚め」(1006年後半~1007年前半)ごろの娍子
寛弘三年(1006年)約34歳
11月5日、敦明親王が元服します。
35回「中宮の涙」(1007年後半)ごろの娍子
寛弘四年(1007年)約35歳
12月26日、師明と禔子内親王の着袴です。
36回「待ち望まれた日」(1008年)ごろの娍子
寛弘五年(1008年)約36歳
39話「とだえぬ絆」(1010~1011年前半)ごろの娍子
寛弘七年(1010年)約38歳
妍子の気持ちと状況については、こちらの記事で詳しく解説しています。
※41話を見た後だと、親の身分の違いや後見人の力の違いって、あんなに大きいんですね。41話の解説で修正も入れると思います。
40話「君を置きて」(1011年中盤)ごろの娍子
寛弘八年(1011年)約39歳
6月13日、受禅して三条天皇となります。敦成親王(一条天皇と彰子の子)を東宮とします。
一条天皇の第一皇子だった敦康親王が東宮になれずに、道長の孫の敦成親王が東宮となったという前例ができてしまいました。このことは、将来、三条天皇(元の居貞親王)が道長の娘の妍子との間に子をもうけたときに、第一皇子の敦明親王が東宮とはなれずに、妍子の子が東宮となる可能性が高まったことを意味します。娍子ちゃん、大ピンチです。
その後の娍子
寛弘八年(1011年)約39歳
8月23日、妍子だけでなく娍子も女御となります。
11月24日、敦明親王が「出家するー」言うて、騒動を起こします。
長和元年(1012年)約40歳
正月3日、ライバルの妍子を中宮とする宣旨が下ります。
2月14日、妍子が中宮となります。
3月7日、娍子を皇后にします。
4月27日、娍子を皇后とします。同日、妍子が内裏に入ります。ドラマでこのへんを取扱った週の月~火曜日にこのへんの記事を公開すると思います。
10月、妍子が懐妊します。娍子的には、「マジカ!? マ・ジ・カ!?」です。
長和二年(1013年)約37歳
3月20日、娍子と敦明親王が内裏に参入します。
2月23日、敦儀と敦平の元服です。
7月6日、ライバルの妍子から禎子内親王が生まれます。娍子的には「セーフ。男子じゃなかったのでセーフ。ふう。」といったところです。
8月15日、娍子が内裏から出ていきます。
長和三年(1014年)約42歳
2月下旬、夫の三条天皇が眼病を発症します。
10月6日、敦明親王に娍子と三条天皇の孫となる敦貞が生まれます。
長和四年(1015年)約43歳
10月2日、敦明親王の立太子を道長に拒否されます。
11月9日、娍子が内裏に入ります。
11月15日、道長がいじわるして妍子が内裏に入るのを停めさせます。
11月17日、内裏が火事になります。
長和五年(1016年)約44歳
正月23日、敦明親王が空気を読んで立太子を避けようとしているというウワサが流れます。
正月29日、三条天皇が敦成親王(後一条天皇)に譲位します。敦明親王は東宮にならされます。
寛仁元年(1017年)約45歳
4月29日、三条院(元の三条天皇)が出家します。
5月9日、三条院が三条院で崩御します。
8月6日、ヤバみを感じ取る能力に長けた敦明親王が東宮を辞退します。
万寿二年(1025年)約53歳
崩御します。
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