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執筆者の写真順大 古川

柱が走らぁ:6巻【誰も得しない日本史:鬼滅の刃編】

※(22011.28)この記事に大幅に加筆して、講談社の「現代ビジネス」に記事を書かせていただきました。

「現代ビジネス」のほうが完全版です。


HSHIRA MEETING(柱合会議)

 那田蜘蛛山から生還した炭治郎でしたが、鬼の禰豆子を連れているということで、柱合会議なるものに引きずり出されます。

さあ、いよいよ、鬼滅の刃の人気を爆発させた起爆剤である、柱たちの登場です。


というわけで、今日は基本的なところを考えてみましょう。

そもそも、なんで鬼殺隊のトップたちを「柱」と呼ぶのでしょうか。


マンガで英語クラブのほうでこの話をしたところ、クラブのメンバーの1人が、「柱の人たちは鬼殺隊を支える要となる人たちだから」といった意見を出してくれました。

なるほど、おそらく、鬼滅の刃に出てくる「柱」というネーミングには、その意味も含まれていると思います。


個人的には、少なくともあと1つ、「柱」というネーミングに含まれているものがあると思っています。

 

日本の神様の数え方を知っていますか?

 

日本では、神様を「一柱(ひとはしら)」「二柱(ふたはしら)」「三柱(みはしら)」……と数えます(「座」という数え方もあります)。ネコを一匹二匹と数え、ウサギを一羽二羽と数えるようなものです。

 

へー、ですね。それでは、どうして神様は「柱」という助数詞を使って数えられるのでしょうか?

 

『古事記』とか、あまりに古い時代からのことなので、定説といったものはありません。

例えば、

①神様を「柱」で数えるのは、文字文化がないほど古い時代に神様を招くために柱を立てたから、いう説

なるほど、日本では家の中心の柱は大黒柱とよばれて、神様がいると言われています。ほかにも、伊勢神宮正殿には神様のよりしろであり、伊勢神宮の中心である心御柱(しんのみはしら)があります。

そういえば、お祭り(神事)のときに柱を立てる習慣も、各地にみられます。有名なものとしては、長野県諏訪大社で立てられる御柱(おんばしら)などがあります。



明星大学の三橋正先生は、次のように言っています。

 『日本書紀』推古28年(620)10月条に、推古天皇の父欽明天皇と母堅塩媛(きたしひめ)を埋葬した古墳を修復し、その後で氏族ごとに柱を建てさせた、とあります。ここから、「神道」というものが成立する以前の古墳時代、亡き天皇の霊を前に各氏族が柱を建ててそれぞれの神を降ろす儀礼があったと想定されます。その時、柱の数を数えて、その場に降臨した神様の数を確認していたのではないでしょうか?

(明星大学人文学部日本文化学科HPより)

②神様は神社の境内などにある由緒ある木に宿っていると信じられているところから、1柱、2柱と数えるという説

この場合、神様は山そのものだったり、海だったり、磐(岩)だったりすることも多いので、個人的には、そのなかで、なぜ「柱」という助数詞だけが生き残ったのかという疑問は残ります。

 

というわけで、日本においては「柱」といえば神様を連想させる言葉なので、「神がかった強さをもつ剣士」という意味も含んで、「柱」と呼ばれるようになったのではないでしょうか。

 

その他 6巻の英語表現
 
HSS HSS HSS

ネチ ネチ ネチ

 

伊黒小芭内がしゃべるとき、背景に効果音として「ネチ ネチ ネチ」と入るのですが、その英語版は"HSS HSS HSS"でした。

これ、調べても意味が分かりませんでした。どなたかご存じの方、教えていただけると嬉しいです。

 

As usual, Iguro is as cooly menacing as a snake. He's reliable which is nice.

伊黒さん 相変わらずネチネチして蛇みたい しつこくて素敵

 

 先のネチネチした、伊黒に対する甘露寺蜜璃の感想です。英語版だとだいぶニュアンスが変わっていますね。"menacing"は蛇のしつこさというより、脅迫的に睨みつけるような意味ですから。また、"reliable"は頼りになるという意味ですね。

英語版だと、伊黒小芭内のキャラは、怖いけど頼りになるといったところでしょうか。今後の展開に期待ですね。

英語圏で伊黒のキャラがどんなふうにみられているのかは、今後よくよくチェックしていこうと思います。

 

Master, I sincerely pray for your increased happiness. It is good to see you so healty.

お館様におかれましても御壮健で何よりです 益々の御多幸を切にお祈り申し上げます

 

マンガとか映画とか、ゲームとかで英語を学んでいると、ついついキツめの言葉ばかりを仕入れてしまいがちです。たまには丁寧な言い方も身につけてみましょう。

こうして比較してみると、英語に比べて、日本語にはバカ丁寧な表現充実していますね。ちなみに、昔の漢文の手紙とか読んでると、その丁寧さかげんは、こんなものじゃありません。

 

Shut up you strait-laced, sweet-talking stick-in-the mud! 

黙れっこの堅物デコ真面目が

 

strait-laced…堅苦しい

sweet-talking…甘い声で話す・お世辞を言う

stick-in-the mud…新しいことを嫌う人・旧弊な人

デコ要素が消えてますね。英語では、甘い声して堅物が、ってかんじのセリフになるのでしょうか。こむずかしい表現が並んでいるので、よくわからないです。

 この辺の善逸については言うことはないでしょう。上のセリフ前後の善逸の暴れっぷりを見ておきましょう。

 

You were having a jolly time playing games with girls, but every day you came back looking wrecked!

女の子と毎日キャッキャキャッキャしてただけのくせに 何をやつれた顔してみせたんだよ

 

Bow down deeply and apologize! Offer to commit seppuku!

土下座して謝れよ 切腹しろ!!

 

Shut up you strait-laced, sweet-talking stick-in-the mud! 

黙れっこの堅物デコ真面目が

 

We get to  touch the girls! They goona massage our bodies! When we play with the cups, our hands will touch!

女の子に触れるんだぞ 体揉んでもらえて!! 湯飲みで遊んでる時は手を!!

 

When we play tag, we can grab them!

鬼ごっこの時は体触れるだろうがァァ!!

 

They each have nice chests, great butts and strong thighs!

女の子一人につき おっぱい二つ お尻二つ 太もも二つ ついてんだよ

 

When they pass by, they smell good! It's a joy just to look at them!

 すれ違えばいい匂いがするし 見てるだけでも楽しいじゃろがい!!

 

英語圏では、太ももの理想形は"strong"なんですね。


 

For a second I thought my heart was gonna come out my ears!

今一瞬耳から心臓出たかと思ったーー!!!

 

とっさに使えるとカッコイイですね。

おじさん的には、昔のCMを思い出しました。

Bananas are sticking out of your ears. 的な。



 Silence

黙れ

 

十二鬼月……というか、株式会社鬼舞辻無惨は完全にブラック企業ですよね。

この後のシャチョーのお言葉もいただいておきましょう

 

I am never wrong. I cannot make mistakes.

何も違わない 私は何も間違えない

 

All authority is mine. And what I say is absolute.

全ての決定権は私に有り 私の言うことは絶対である

 

You have no right to object. What I say is right is right.

お前に拒否する権利はない 私が”正しい”と言った事が”正しい”のだ



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