偏見と悪意で歴史トーク。誰も得しない日本史です。
《英語訳してみよう》
サムライのゲームのはずなのに、サムライがほとんどいない。
「サムライスピリッツ」という、対戦格闘ゲームのシリーズがあります。このシリーズは、素手を中心とした格闘ゲームとは違って、武器を用いて闘うことが特徴です。今日、6月27日に新作が発売されました。
出版社/メーカー: SNKプレイモア
発売日: 2019/06/27
メディア: Video Game
サムライスピリッツの特徴として、サムライがほとんどいないというのも、昔から有名です。なんと最初の作品ですら、全13キャラのうち、サムライは3人だけという体たらく。しかも、ラスボスにいたっては、ボーリング玉を転がして闘うという謎スタイル。
その後。シリーズを重ねて新キャラが増えても、サムライはほとんど増えず、最初の作品よりサムライの割合が増えることはありませんでした。ってか、あんまり覚えていないし、スピンオフは全然知らないんですけど、最初に覇王丸・右京・十兵衛の3人がいた後、幻十郎と慶寅くらいしかサムライが追加された記憶がないんですけど……だれか教えていただけると嬉しいです。色とかはサムライ??最新作のHPを見ていますが、夜叉丸はサムライみたいですね。
このシリーズ、私がやり込んだのは、2作目の「真・サムライスピリッツ」でした。1994年のリリースです。いわゆる、田舎ではならしたクチだったので、いつの日か、ミカドの世界大会に挑戦してみたいと思っています。あと、「サムライスピリッツ零」の無印ではタイムアタックをしてて、初回の全国1位をゲットすることができました。私は慶寅を使っていたのですが、3ヶ月目に水邪(だったと思う)にメチャ抜かれました。「サムライスピリッツ零」のタイムアタック動画とか見たことないので、だれか情報を知っていたら、教えていただけると嬉しいです。
さて、日本といえばフジヤマとサムライです。そして、刀はサムライのシンボルでした。ところが、実におもしろいデータがあります。
鈴木真哉氏の研究によると、応仁の乱(1467年)までの負傷者の86.6%は矢傷で、刀傷は8.3%しかいなかったのです。戦国前期に入っても、負傷者の60%以上が矢傷で、刀傷は5%以下にとどまっています。
これが、戦国後期になると鉄砲が普及するので、少し割合が変わります。鉄砲傷が40%を超えるようになるんです。じゃあ、弓矢とか刀はどうなったのかというと、矢傷は20%以上をキープしていたんですけど、刀傷は1%程度でした。ちなみに、投石をくらった傷もけっこう多いです。
まとめると、信長とか秀吉とか、あの辺の戦国無双的な時代において、刀でケガすることなんて、ケガしたやつらの中だけでみても、100人に1人くらいしかいなかったということです。そもそも戦争ではケガした人よりも、ケガしなかった人の方が多かったはずなので、
戦国無双的時代に戦争に行って、「刀で斬られた」とか言ったら、そうとうに珍しがられたんだと思われます。「え!?マジ??おまえ、刀で斬られたの?ありえんありえん。刀傷見せて見せてw」的に、みんなが集まってくる様子が目に浮かびます。
時代をさかのぼると、古代の壬申の乱(672年)とかでも、瀬田橋の戦いで「矢が雨のようにふってきた」といったシーンがありますし、平安時代の検非違使とかも、犯人を遠巻きに囲んでは、矢を射かけてます。接近戦なんてしないんです。
というわけで、鉄砲の普及以前の主力兵器もやっぱり飛び道具で、古代以来、主力兵器は刀剣ではなくて弓矢でした。戦闘では、古代以来ずっと、弓矢や鉄砲で遠距離戦をするのが普通なんですね。
ときどき戦国時代モノで、相手が鉄砲を持ち出して味方が大損害をこうむったら、サムライどもが「こんなのは戦いではない」的なことを言ったり、幕末維新モノで相手の大砲がドッカンドッカンいったら、自称サムライどもが「こんなのは戦いではない」的なことを言っているシーンがありますが、サムライがたちがチャンバラやっていた古き良き時代なんてものは、もともとあいつらの脳内にしか存在しなかったんです。日本の歴史上、どこにもそんなものはなかったんです。
《英語訳》
Alhough it should be a samurai video game, there are few samurais in the game.
ということは、
今思えば、サムライスピリッツなら、あの露出の高い琉球巫女や、鉄砲をぶっぱなす三九六こそが、日本人の戦闘の真の姿だったんですね。
サムライスピリッツにサムライが少ないというのも、実は綿密な歴史的考証の結果だったのかもしれません。
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